今週の相場を一言で表すと、「期待が現実に変わり、また揺れ戻した週」でした。銀行員として30年、リーマンショックやコロナショックを現場で見てきた立場からすると、こうした局面ほど長期投資家は冷静でいなければならないと感じる。
Fear
Neutral
Greed
Extreme Greed
米国市場:貿易合意とAI半導体解禁が相場を押し上げる
米中首脳会談と貿易合意
今週最大のニュースは、米中首脳会談での貿易合意。
トランプ大統領と習近平国家主席の直接会談で両国が合意に達したとの報道が、相場全体の大きな追い風となった。貿易摩擦への懸念が続いていた市場にとって、投資家心理を一気に好転させる出来事だった。
木曜日(5月14日)にはS&P500が7,501.24ポイント(+0.77%)と史上最高値を更新。NYダウも50,063.46ドル(+0.75%)と、50,000ドルの大台を約3か月ぶりに回復した。
しかし金曜日(5月15日)、首脳会談終了後に「具体的な政策合意なし」との懸念が広がり、利食い売りが優勢に。S&P500は7,408.50(−1.24%)、NYダウは49,526.17(−1.07%、537ドル安)と、週末に反落して取引を終えた。
エヌビディア半導体の中国販売認可
米中合意とともに市場を沸かせたのが、半導体大手エヌビディア(NVDA)の先端チップ中国販売認可のニュース。
この報道を受けてシスコ・システムズ(CSCO)が木曜日に+13.41%と急騰。ブロードコム(AVGO)やアリスタ・ネットワークス(ANET)なども上昇し、情報技術セクターが+1.85%を記録した。
ただし、金曜日にはその反動が出た。エヌビディアが−4.4%、インテルが−6%超、AMD・マイクロンも5〜7%前後の下落となり、前日の上昇分の一部を返す動きとなった。
こうした「米中の経済関係」が市場に与える影響の大きさは、現地でビジネスをしていると身をもって感じる。
今回の合意が実質的なものなのか、それとも交渉の一局面に過ぎないのか——継続して注視していく必要があると考えている。
注目指標と投資家心理(Fear & Greed、VIX)
CNNの Fear & Greed Indexは木曜日に66(Greed)まで上昇し、金曜の反落を受けて63(Greed)で週を終えた。
3月に極度の恐怖(Extreme Fear:15付近)まで落ち込んでいたことを思えば、いかに短期間で市場心理が変わるかがよくわかる。
木曜の最高値更新に浮かれず、金曜の反落に慌てず——積立の機械的な継続こそが、この相場環境でも最も合理的な行動。
「恐怖のときに売り、欲望のときに買う」のが人間の本能だが、長期投資の観点ではまさにその逆が原則。
日本市場:高値圏での底堅い推移
日経平均・TOPIXの動き
日経平均は今週も6万円超の高値圏で推移した。
米国株の上昇を受けて連動する場面も多く、外部環境が良好であれば日本株も恩恵を受けやすい構図が続いている。2027年3月期の業績予想で強気の銘柄・セクターも増えており、企業業績面からの下支えも意識されている。
ただし、6万円超という水準は歴史的にも高い水準。積立投資を続けている方にとっては、今週も淡々とルーティンを続けることが最も合理的な選択。
為替(ドル円)の動向
ドル円は今週、概ね155〜158円台での推移が続いた。
米中合意を受けたリスクオン(株高・ドル高)の動きと、日本政府・日銀の為替介入警戒が綱引きする展開となっている。
今月初め(ゴールデンウィーク中)には政府による円買い介入が観測される場面もあり、155〜158円のレンジが当面の攻防ゾーンとして意識されている。為替は輸出企業の収益に直結するため、引き続き注視したい変数のひとつ。
📚 今週のブログ更新
今週は『マネーと常識』(ジョン・C・ボーグル著)を取り上げました。
インデックスファンドの父が語る投資の本質は、たった一言に集約される。
「干し草のなかの針を探すな。ただ干し草を買えばいい。」
コストを制する者が、投資を制する。50代の資産形成に刺さる一冊。
🔎 来週の注目ポイント
📝 まとめ
今週の相場は、米中貿易合意という具体的な材料が積み重なり、長年抑えられてきた投資家心理が一気に解放された格好でした。
しかし、銀行員として幾度かの強気相場と急落を経験してきた身からすると、こうした「全員が楽観的な局面」が最も慎重さを要するタイミングでもある。
積立を続けている方は、このまま粛々と続けること。
一括投資を考えている方は、慌てて飛び込まず、自分のペースを守ることが大切。
大切なのは、相場のムードに流されない「自分のルール」を持つことに尽きる。
みなさんはどんな方針で今週の市場を見ていましたか?
50代からの資産形成について、静かに誠実に発信しています

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