中東情勢の緊迫化で原油が急騰し、市場が大きく揺れた一週間でした。
S&P500は週間▲0.61%。日経平均は金曜に1,800円超の急落がありながらも、週間では+0.73%。
銀行員として複数の危機を見てきた立場から言えるのは、こうした地政学リスクの局面ほど、淡々と積み立てを続ける姿勢が問われるということ。数字を一つずつ確認していきます。
米国市場:地政学リスクと堅調な決算の綱引き
中東緊張で原油急騰、WTIは84ドル台
今週の最大の材料は中東情勢。
フーシ派がサウジアラビアの石油タンカー2隻を攻撃したと表明し、ホルムズ海峡に加えバブ・エル・マンデブ海峡の封鎖懸念まで意識されました。
WTI原油先物は84.91ドル、ブレントは91.01ドルまで上昇。
原油高はインフレ再燃への警戒につながり、米10年債利回りは2023年10月以来の高水準まで上昇しました。
決算は堅調、S&P500採用企業の約88%が予想超え
一方で企業決算は堅調。報道によれば、発表済みのS&P500採用企業約66社のうち、約88%が利益予想を上回りました。
3Mは好決算で+7%超、GMも約+5%。スーパー・マイクロは600億ドル超の新規受注を発表し急騰しました。
半導体はサンディスクが金曜に▲11%となるなど、売りが続いた点には注意が必要。
週間の値動きと投資家心理
週間ではS&P500が▲0.61%(7,411.98)、NYダウが▲0.38%(51,947.25)。
地政学リスクと好決算の綱引きで、指数は小幅な下落にとどまりました。Fear & Greed Indexは39(Fear)です。
地政学リスクによる急落は過去にも繰り返されてきましたが、長期で見れば株価は企業収益の水準に回帰してきたのが歴史的な事実。
見出しの騒がしさと、週間▲0.61%という実際の数字の落差を冷静に見比べる姿勢が大切です。
日本市場:乱高下の一週間
日経平均・TOPIXの動き
先週末に急落した日経平均は、週央にかけて反発したものの、金曜に再び▲1,811円(▲2.73%)の急落。
終値は64,611.15円、TOPIXは4,011.31でした。
それでも週間では+0.73%とプラス圏。AI・半導体関連の下げと、原油高・金利上昇によるリスク回避が重なった構図です。
値動きの荒さに目を奪われがちですが、週単位で見れば横ばい圏という冷静な見方も可能。
為替(ドル円)の動向
ドル円は原油高と米金利上昇を受けて円安が進み、一時164円に迫る場面も。足元では163円台後半で推移しています。
来週はFOMC(7/28-29)と日銀会合(7/30-31)が控えます。
外為情報サイトでは、FOMCの7月利上げ織り込みは3割強で据え置き予想が優勢、日銀も据え置きがほぼ確実視される一方で10月利上げが有力視されている、との見方が紹介されています。
※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。
今週のブログ更新
今週の書評は『お父さんが教える 13歳からの金融入門』。弁護士の父が13歳の息子に書いた、お金の教科書です。
「収入の範囲内で暮らす」「お金に働いてもらう仕組みを作る」。この2つを子供のころから知っていたら——そう思いながら、一気に読み終えました。
👤 今週の個人的な記録
中身を知った上で投資する、投資することで世界を知る。
今週は改めてS&P500を調べて、驚きました。
上位10社で指数の約4割。直近5年で構成銘柄の約2割が入れ替え。
「500社に分散」というより、勝ち残った企業に自動で乗り換え続ける仕組みです。

採用基準も時価総額だけではなく、米国企業であること、直近1年の黒字、上場12か月以上、十分な流動性など。
全部満たしても自動採用ではなく、最後は指数委員会が判断します。

日本企業に当てはめると、合格ラインの時価総額約3.7兆円をクリアできるのは約75社。米国の「最低ライン」が日本の75位に相当します。

基準未達なら大企業でも除外。この新陳代謝が強さの源泉なのかも知れません。
自分が積み立てている指数の中身を、一度じっくり調べてみる。地味ですが、続ける自信につながる作業でした。
来週の注目ポイント
原油高、金利上昇、株価急落。ニュースの見出しは騒がしい一週間でした。それでも週間で見れば、S&P500は▲0.61%、日経平均は+0.73%。
銀行員として国内外の市場危機を見てきて言えるのは、退場しないことが最大の防御という一般則。短期の変動に耐える仕組みを整えて、静かに続けていきましょう。
50代からの資産形成、私の考え方はこちらにまとめています。

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