円高進行と介入観測|今週の資産形成ニュース(7月第5週)

今週の資産形成ニュース

はじめに、7月28日に発生した令和8年熊本地震(最大震度7)で
被害に遭われた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

ドル円は先週の163円台から157円40銭へ。31日の海外時間には数分で5円近く動き、介入観測が広がりました。
株式のほうは静かで、S&P500は週間+1.05%。ただし円換算では約-2.8%
銀行に30年身を置いてきた立場から見ると、「指数は上がったのに手元の評価額は減る」というこのズレこそ、外貨建て資産を持つ人が毎回ぶつかる壁。

S&P500
7,489.72
+1.05%(先週末比)

NYダウ
52,485.03
+1.04%(先週末比)

ドル円
157.40
-3.81%(円高/先週末比)

Fear & Greed Index(CNN)

Extreme FearFearNeutralGreedExtreme Greed
42 / Fear寄りの中立
前週から改善しつつも、強気には振れていません。
VIXは16台前半で落ち着いています。

米国市場:S&P500は週間プラス、7月は小幅マイナスで着地

数字の整理

S&P500は7,411.98(7/24)から7,489.72(7/31)へ、週間+1.05%
NYダウは51,947.25→52,485.03で+1.04%、ナスダックは25,373.85で引けました。

月間で見ると、7月のS&P500は-0.79%。年初来では約+9%の水準を保っています。
月の途中で相当荒れた割に、月間ではほぼ横ばいに着地した形。

FOMCは3.50〜3.75%を維持、反対票は3

7月28〜29日のFOMCは、政策金利の誘導目標を3.50〜3.75%に据え置きました。5会合連続の据え置き。

ただし採決は9対3。ハマック、カシュカリ、ローガンの3氏が0.25%の利上げを主張して反対票を投じています。
中東情勢を背景とした原油高が、インフレ再燃への警戒を委員会の中に生んでいる形。

会見に立ったウォーシュ議長は「ソフトな(緩い)インフレ目標は存在しない。目標は2%、それだけ」と述べ、フォワードガイダンスを示さない方針をあらためて強調しました。
市場は先行きの手がかりを得られず、会見中にダウは一時800ドル超下げる場面も。

先行きの示唆が減れば、指標や決算の一つひとつに市場が反応しやすくなります。
日米の金利差を通じて、為替にも効いてくる部分。

決算はアマゾンが牽引、アップルは失速

S&P500を動かしたのは決算でした。
アマゾンは市場予想を上回る決算と半導体事業の拡大を受けて株価が+15%。一方でアップルはサービス部門と中国売上が届かず-7%

30日にはフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が+8.19%と急伸し、AI関連への資金回帰が鮮明になっています。

銀行員30年の視点

同じ指数の中で、時価総額上位の銘柄がここまで逆方向に動く週があります。アマゾン+15%、アップル-7%。
どちらが当たるかを事前に選ぶのは、実務の現場でも簡単ではありません。
個別に張らず指数ごと持つという選択が、こうした週には静かに効いてきます。

注目指標と投資家心理

Fear & Greed Indexは42で、「Fear」寄りの中立。前週から改善しつつも、強気には振れていません。
VIXは16台前半で落ち着いています。指数は上げているのに心理指標は慎重寄り、というねじれた状態。

こうした「価格と心理のズレ」は、積立を続けている人にとってはむしろ淡々と買える局面。
相場のムードと自分の行動を切り離せるかどうかが、長期投資の実力差になりやすいところ。

為替と日本市場:163円台から157円台へ

為替(ドル円)の動向

今週の主役は為替でした。

先週24日、ドル円は163.988円まで上昇し、約40年ぶりの水準が視野に入っていました。

今週31日、日銀は政策金利を1.0%で据え置き。
植田総裁は会見で、基調的な物価上昇率について「2%の物価安定目標を超えて上振れするリスクがある」と述べ、利上げ路線の堅持と「ペース加速もありうる」との考えを示しています。

その後の海外時間、ドル円は162円90銭台から短時間で157円80銭前後まで、値幅にして約5円の急落。
政府・日銀による円買い・ドル売り介入が実施され、NY連銀がレートチェックを行ったとの観測が報じられました。

直近は157円40銭。週間では163.64円→157.40円で、約-3.8%の円高方向。

海外に10年いた経験から言えるのは、為替は「水準」より「速さ」で語られる場面が多いということ。
当局が問題にするのは方向そのものではなく変動のスピード、という整理は今回も当てはまりそうです。

外為情報サイトでは、来週のドル円について164円台をうかがう展開と、157円台を軸とした調整の両論が紹介されています。

※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。

S&P500・オルカン投資家にとっての円高

ここが今週いちばん整理しておきたい部分。

ドル建てのS&P500は今週+1.05%。ところがドル円が163.64円から157.40円へ約-3.8%動いたため、円換算では約-2.8%
指数は上がったのに、円建ての評価額は減っている、という状態。

つみたてNISAでS&P500やオルカンを持っている方の多くが、今週このズレを感じたはず。
ただ、ここで押さえておきたい点が3つあります。

1つ目。為替は上にも下にも動く一方、株価指数の長期の値動きは、そこに含まれる企業の利益成長を通じて形づくられます。
10年、20年という時間軸で見たとき、リターンの中心にあるのは指数そのもの。為替は上下に揺さぶるノイズとして重なる部分。

2つ目。毎月の積立を続けているなら、購入時のドル円も自動的に平均化されていきます。
円安のときも円高のときも同じ額を買う。為替のタイミングを読む必要がそもそもない仕組み。

3つ目。円高は、これから積み立てる分にとっては「同じ円でより多く買える」局面でもあります。
すでに持っている資産の評価額と、これから買う分の単価は、方向が逆になる。

為替より、指数

為替のニュースは見るけれど、それを理由に積立を止めたり増やしたりしない。
指数を持ち続けることが目的で、為替はその過程で通り過ぎていくもの、という整理が現実的。

もちろん、円換算の評価額が下がるのは気持ちのいいものではありません。
それでも、自分がコントロールできるのは為替でも指数でもなく、積立を続けるかどうかだけ。

日経平均の動き

日経平均は24日終値64,611.15円から31日終値64,362.02円へ、週間では-0.39%。ほぼ横ばい。

ただし7月の月間騰落率は-8.33%で、主要市場の中で最大の下落幅でした。
31日は前日比+2,494.59円(+4.03%)と急反発し、一時65,000円台を回復しています。米ハイテク決算とSOX急伸を受けたAI・半導体関連への買い戻し。

同じ7月でS&P500が-0.79%、日経平均が-8.33%。
振れ幅の違いが、そのまま数字に出た月。

今週のブログ更新

今週の書評は『サイコロジー・オブ・マネー』(モーガン・ハウセル)。

お金が人生にもたらす最大の価値は、自由

この一言が、私の投資哲学と完全に一致していました。
長期・分散・積立を続ける理由が、改めて腑に落ちた一冊。

市場に居続けた人だけが、稲妻を掴める。

為替に振り回されず指数を持ち続ける、という今週の話とも、根っこは同じところにつながります。

📚 この本を読んでみたい方はこちら

👤 今週の個人的な記録

毎日5分のWikitok

毎日5分、Wikitok(Wikipediaのランダム読み)を眺めています。

続けていて感じるのは、自分がいかに無知かということ。
世界は広く、ジャンルも様々で、奥行きもあります。

ただ、そこで落ち込むというより、知らないことがまだこれだけあるのかと、探究心のほうが湧いてくる。
勉強とは本来こういうもので、一生続くもの。

発信する側としても、同じことが言えそうです。有用な情報を、それを必要としている方に分かりやすく届ける。
読んだ方が少しでも前に進めるなら、その手助けができれば、と思っています。

これが私なりの答えです。みなさんはどんな工夫をされていますか?

来週の注目ポイント


  1. 介入観測後のドル円
    当局スタンスと、日銀の追加利上げに関する発信

  2. 米7月雇用統計(8月7日)
    利上げ観測が残る中、賃金と雇用者数の伸びが焦点

  3. ISM製造業・非製造業景況指数
    景況感が原油高の影響をどう織り込むか

  4. 米企業の決算後半戦
    AI・半導体関連の設備投資コメントに注目

  5. 原油価格と中東情勢
    インフレ再燃シナリオの起点

まとめ

政策金利は米国も日本も据え置き。それでも為替は1週間で6円動きました。

S&P500はドル建てで+1.05%、円換算では-2.8%。
同じ一週間でも、どの通貨で見るかで景色が変わります。

為替は自分で選べませんが、続けるかどうかは自分で選べます。
上がったから買い増す、下がったから止める、ではなく、決めた額を、決めた日に。

50代からの資産形成について、私の考え方と実際にやっていることをまとめています。

aroundfiftyreal について(自己紹介)

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