半導体株急落と過去最大の下げ幅|今週の資産形成ニュース(7月第3週)

今週の資産形成ニュース

今週は日米ともに厳しい一週間でした。日経平均は週間4,416円安と過去最大の下げ幅を記録。S&P500も週間-1.55%。

銀行員として30年、複数の危機を現場で見てきた立場から言えるのは、急落の週ほど「数字を淡々と確認する」ことが大切という原則。

今週の動きを静かに整理します。

S&P500
7,457.69
▼ -1.55%(週間)
NYダウ
52,146.42
▼ -0.93%(週間)
ドル円
162円台半ば
円安進行(一時162.55円前後)
CNN Fear & Greed Index
Extreme FearNeutralExtreme Greed
37「Fear(恐怖)」

前週までの「Greed」から一気に転落。半導体株の急落で投資家心理が冷え込みました。


米国市場:AIラリーに試練

半導体株が弱気相場入り

今週の主役は半導体株の急落。

フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は金曜に一時5.7%下落。6月下旬の史上最高値からの下落率が20%を超え、「弱気相場入り」の水準となりました。

SOXは3月安値から6月ピークまで105%上昇していました。急ピッチの上昇の反動が出た形。

個別ではマイクロンが13%安、インテル9%安、AMD7%安。

TSMCの決算自体は良好でしたが、設備投資計画を年間600〜640億ドルへ上方修正。「AI投資はどこまで膨らむのか」という警戒につながりました。

中国発「Kimi K3」とネットフリックス急落

売りのきっかけの一つが、中国のAIスタートアップ、ムーンショットが公開した大規模オープンモデル「Kimi K3」。

米国の巨額AIインフラ投資の持続性への疑問が再燃し、市場では「第二のDeepSeekモーメント」との声も。

ネットフリックスは決算自体が予想並みでも約10%下落。売上成長ガイダンスの減速と、視聴データ開示を年1回に減らす方針が嫌気されました。

注目指標と投資家心理

週間ではS&P500が-1.55%、NYダウが-0.93%、ナスダックは-2.9%

一方で6月小売売上高はほぼ予想通り、失業保険申請も堅調。実体経済はまだ大崩れしていません。

中東情勢の緊迫化による原油高は引き続き注意材料。

銀行員30年の視点

過去の危機に共通するのは、急落時ほど「何もしない」ことが難しくなる心理。記録的な下げ幅は、直前の記録的な上昇の裏返しでもあります。

ファンダメンタルズの数字と株価の動きを分けて眺めるのが、長期投資家の基本動作。

日本市場:記録的な一週間

日経平均・TOPIXの動き

日経平均は金曜に前日比2,694円安(-4.03%)の64,141.12円まで急落し、65,000円を割り込みました。

週間の下げ幅4,416円は過去最大。前週末比では-6.44%

TOPIXも3,919.21ポイントまで下落しました。

米半導体株安が波及し、アドバンテストやソフトバンクグループなどAI・半導体関連が全面安。信用取引の投げ売りが下げを増幅したとの報道もありました。

為替(ドル円)の動向

ドル円は162円台半ばまで円安が進行。

日本の財政悪化懸念に伴う円売りに加え、中東情勢の緊迫化を背景としたドル買いが重なりました。

外為情報サイトの外為どっとコムでは、7月17日時点の予想レンジを161円90銭〜162円60銭と紹介。別のサイトでは、当面161円台後半〜162円台後半中心の推移の可能性が指摘されています。

※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。

今週のブログ更新

今週の書評は『バブル―日本迷走の原点―』。

あの熱狂は何だったのか。日経記者が実名で描いた、欲と野心の実録。

金融機関30年、バブルの空気を現場で知る身として、「なぜあの時代に流されたのか」が腑に落ちた一冊。バブルの教訓は、今の長期投資の軸になります。

急落の週にこそ。

『バブル―日本迷走の原点―』書評はこちら →

👤 今週の個人的な記録

クラウド産業の構造を図解してみました

今週は、クラウド産業の構造を「役割とお金の流れ」の視点で図解し、Xに投稿しました。

エヌビディア、キオクシア、TSMC、SKハイニックス。名前はよく聞くのに、AIやクラウドの中でどんな役割の会社か分かりにくい。

そういう方のために、レイヤー別に立ち位置を整理したものです。

クラウドを支える企業マップ ― レイヤー別の市場規模と主要プレーヤーのシェア

クラウド産業の構造 ― お金とモノの流れで見るレイヤーの関係

基盤はAWS・Azure・Googleの寡占、AI半導体はNVIDIA一強、メモリはSKハイニックス・サムスン・キオクシア。

急落の週だからこそ、各社の立ち位置を俯瞰しておくと、ニュースに振り回されにくくなります。

※個人的な情報整理であり、投資勧誘ではありません。

来週の注目ポイント

  • 7/22(水)テスラ・アルファベット決算AI投資懸念の中でメガテック決算が試金石に
  • 7/23(木)ECB理事会政策金利とラガルド総裁会見
  • 7/24(金)日本6月CPI・日米欧PMI速報月末の日銀会合前の重要データ
  • 半導体株の底入れの有無SOX弱気相場入り後の需給とQ2決算への反応
  • 翌週のFOMC(7/28-29)・日銀会合と中東情勢イベント前のポジション調整と原油価格に注意

過去最大の下げ幅という言葉は強烈ですが、長期・分散・積立の投資家がやることは変わりません。

積立の設定を確認し、余計な売買をしない。それだけです。

急落は、自分のリスク許容度を確かめる機会でもあります。

50代からの資産形成、私の自己紹介と投資方針はこちらから。

自己紹介ブログ →

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