今週は日米ともに厳しい一週間でした。日経平均は週間4,416円安と過去最大の下げ幅を記録。S&P500も週間-1.55%。
銀行員として30年、複数の危機を現場で見てきた立場から言えるのは、急落の週ほど「数字を淡々と確認する」ことが大切という原則。
今週の動きを静かに整理します。
前週までの「Greed」から一気に転落。半導体株の急落で投資家心理が冷え込みました。
米国市場:AIラリーに試練
半導体株が弱気相場入り
今週の主役は半導体株の急落。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は金曜に一時5.7%下落。6月下旬の史上最高値からの下落率が20%を超え、「弱気相場入り」の水準となりました。
SOXは3月安値から6月ピークまで105%上昇していました。急ピッチの上昇の反動が出た形。
個別ではマイクロンが13%安、インテル9%安、AMD7%安。
TSMCの決算自体は良好でしたが、設備投資計画を年間600〜640億ドルへ上方修正。「AI投資はどこまで膨らむのか」という警戒につながりました。
中国発「Kimi K3」とネットフリックス急落
売りのきっかけの一つが、中国のAIスタートアップ、ムーンショットが公開した大規模オープンモデル「Kimi K3」。
米国の巨額AIインフラ投資の持続性への疑問が再燃し、市場では「第二のDeepSeekモーメント」との声も。
ネットフリックスは決算自体が予想並みでも約10%下落。売上成長ガイダンスの減速と、視聴データ開示を年1回に減らす方針が嫌気されました。
注目指標と投資家心理
週間ではS&P500が-1.55%、NYダウが-0.93%、ナスダックは-2.9%。
一方で6月小売売上高はほぼ予想通り、失業保険申請も堅調。実体経済はまだ大崩れしていません。
中東情勢の緊迫化による原油高は引き続き注意材料。
過去の危機に共通するのは、急落時ほど「何もしない」ことが難しくなる心理。記録的な下げ幅は、直前の記録的な上昇の裏返しでもあります。
ファンダメンタルズの数字と株価の動きを分けて眺めるのが、長期投資家の基本動作。
日本市場:記録的な一週間
日経平均・TOPIXの動き
日経平均は金曜に前日比2,694円安(-4.03%)の64,141.12円まで急落し、65,000円を割り込みました。
週間の下げ幅4,416円は過去最大。前週末比では-6.44%。
TOPIXも3,919.21ポイントまで下落しました。
米半導体株安が波及し、アドバンテストやソフトバンクグループなどAI・半導体関連が全面安。信用取引の投げ売りが下げを増幅したとの報道もありました。
為替(ドル円)の動向
ドル円は162円台半ばまで円安が進行。
日本の財政悪化懸念に伴う円売りに加え、中東情勢の緊迫化を背景としたドル買いが重なりました。
外為情報サイトの外為どっとコムでは、7月17日時点の予想レンジを161円90銭〜162円60銭と紹介。別のサイトでは、当面161円台後半〜162円台後半中心の推移の可能性が指摘されています。
※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。
今週のブログ更新
今週の書評は『バブル―日本迷走の原点―』。
あの熱狂は何だったのか。日経記者が実名で描いた、欲と野心の実録。
金融機関30年、バブルの空気を現場で知る身として、「なぜあの時代に流されたのか」が腑に落ちた一冊。バブルの教訓は、今の長期投資の軸になります。
急落の週にこそ。
👤 今週の個人的な記録
今週は、クラウド産業の構造を「役割とお金の流れ」の視点で図解し、Xに投稿しました。
エヌビディア、キオクシア、TSMC、SKハイニックス。名前はよく聞くのに、AIやクラウドの中でどんな役割の会社か分かりにくい。
そういう方のために、レイヤー別に立ち位置を整理したものです。
クラウドを支える企業マップ ― レイヤー別の市場規模と主要プレーヤーのシェア
クラウド産業の構造 ― お金とモノの流れで見るレイヤーの関係
基盤はAWS・Azure・Googleの寡占、AI半導体はNVIDIA一強、メモリはSKハイニックス・サムスン・キオクシア。
急落の週だからこそ、各社の立ち位置を俯瞰しておくと、ニュースに振り回されにくくなります。
※個人的な情報整理であり、投資勧誘ではありません。
来週の注目ポイント
過去最大の下げ幅という言葉は強烈ですが、長期・分散・積立の投資家がやることは変わりません。
積立の設定を確認し、余計な売買をしない。それだけです。
急落は、自分のリスク許容度を確かめる機会でもあります。
50代からの資産形成、私の自己紹介と投資方針はこちらから。

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