今週のS&P500は週間+0.49%の7,711.76、日経平均は+0.59%の66,405.56円で着地しました。
指数だけを見れば静かな1週間。ただ中身は、エヌビディアの好決算とウォーシュFRB議長の初講演という、方向の違う2つの材料に振られた週でした。
金融機関に30年勤めてきた立場からすると、こういう「指数は動かないのに中身が入れ替わっている週」ほど、あとから振り返ると転換点だったということがあります。
数字が小さい週こそ、何が起きていたかを記録しておく価値があるかと思います。
米国市場:好決算とタカ派講演のあいだで
エヌビディア決算で情報技術セクターが独走
週の主役は27日のエヌビディアでした。2028年度の売上成長率見通しを70%とし、市場予想の44%を大きく上回ったことで、株価は8.7%上昇しています。
ただ、この日のS&P500の情報技術セクターは3.4%高となった一方で、上昇したのは11セクターのうち情報技術だけでした。
指数が上がっても、上がっている銘柄はごく一部。この「上昇の細さ」が、今週いちばん記録しておきたい事実かと思います。
相場が「1本足」で上がっているとき、指数の数字はその事実を隠してしまいます。平均値は便利な一方で、中身の偏りを見えにくくする道具でもあります。
インデックス投資をしている以上、セクターの偏りは自動的に受け入れることになります。だからこそ、偏りが起きていること自体は知っておきたいところ。行動を変えるためではなく、記録しておくために。
ウォーシュFRB議長、ジャクソンホールで初講演
28日23時(日本時間)、ウォーシュ議長がFRB議長として初めてジャクソンホールで講演しました。基調インフレ率が目標に向かうと確信できなければ「まだやるべきことがある」と述べ、利上げに含みを残した内容。
「労働市場はかなり安定しており、注力すべきは物価」「2%目標が揺らぐことはない」「フォワードガイダンスの役割は限定的であるべき」といった発言が並びました。
米2年債利回りは4.23%前後から4.29%台へ上昇。株式は講演直後に一時下げたあと反発し、S&P500は7,711.76(前日比−0.25%)で週を終えています。
同じ28日には、米雇用統計の年次ベンチマーク改定速報が−7.9万人と発表されました。過去に大幅な下方改定が続いた経緯を考えると、今回は相対的に小さい修正幅。労働市場の弱さが想定ほどではなかった、という材料になります。
注目指標と投資家心理
ミシガン大学の1年先インフレ期待は+4.0%。シカゴPMIは予想を大きく下回りましたが、市場の反応は限定的でした。
物価への警戒は残しつつ、パニックはない。数字の並びとしては、そんな週。
日本市場:静かな上昇と、7カ月連続2%割れの物価
日経平均・TOPIXの動き
日経平均は週間+389.20円(+0.59%)の66,405.56円。
週初24日は半導体株中心に488.27円安と崩れた一方、週後半はエヌビディア決算を受けてAI・半導体関連が買い戻され、28日は273.58円高で着地しました。
TOPIXは28日終値4,146.71(前日比+29.49、+0.72%)。下げて戻って小幅高。値幅の割に落ち着いた1週間だったかと思います。
為替(ドル円)の動向
ドル円は先週末158.95円から、29日早朝(日本時間4時)時点で160.14円まで円安が進みました。週間では約1円19銭の円安ドル高。週内高値は160.20円です。
7月30日からの介入で下げて以降、初めての160円台回復となります。きっかけはウォーシュ議長の講演でした。物価への警戒と利上げ示唆を受けてドルが全面高となり、ユーロドルも1.16を割り込む動きに。
ドル円については、160円に接近するほど為替介入への警戒が強まるとの見方が、報道ベースで出ています。
※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。
なお、28日発表の8月東京都区部CPI(生鮮食品を除く総合)は前年同月比+1.8%で、7カ月連続の2%割れ。生鮮・エネルギーを除くベースは2.0%から1.9%へ鈍化しました。
米国が利上げに含みを残し、日本の物価は落ち着く。この方向の違いが、そのまま今週の円安につながった形。
今週のブログ更新
今週の書評は、スティーヴン・ガイズ『小さな習慣』。シリーズ「資産形成の持久力」の第3回(全14回)です。
著者は30分の筋トレに何度も挫折した末、「腕立て伏せを1回だけ」と決めました。それを毎日繰り返すうちに、本格的な筋トレが日課になっていたといいます。
モチベーションが行動を生むのではなく、行動がモチベーションを生む。
本書で紹介されるのが、TED講演で有名になったこの動画です。野原でひとりの男性が踊りはじめ、少しばかげて見える。数秒後にもうひとり加わり、さらにふたり。気づけば何十人もが踊り狂っています。
この場面が好きです。すべての始まりは、たったひとりが踊り出したこと。資産形成にも共通するものを感じます。
本書が科学的に面白いのは、脳の使い分けの話。計画を立てる前頭前野はすぐエネルギーを使い果たし、意気込んで始めた習慣が3日で終わります。一方で大脳基底核は融通が利かない代わりにスタミナが無限大で、繰り返すうちに行動を自動化していきます。
金融機関に30年勤務した経験から言えば、毎月の自動積立はまさに大脳基底核の役割を果たしています。感情を介さず、機械的に同じ行動を繰り返す。逆に「相場を見ながら毎回判断する」のは前頭前野任せで、疲れて判断を誤ります。
今週のように材料が多い週こそ、やる気ではなく仕組みが効いてくるかと思います。
→ 書評記事の全文を読む(📘 小さな習慣|腕立て伏せ1回から始める、脳に勝つ習慣術)
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👤 今週の個人的な記録
毎朝、出勤前に以下のルーチンワークをこなしています。
これらを日々行うことで、会社での仕事にも生かせるようになりました。
今週の書評『小さな習慣』を読み返して気づいたのは、この6つがどれも、朝という決まった時間に置かれているという点。判断のいらない時間帯に並べたから続いているのだと思います。
来週の注目ポイント
まとめ
指数は小動き、中身は入れ替わり、為替だけが大きく動いた1週間でした。
こういう週にできることは、実はあまり多くありません。
積立の設定が動いているかを確認して、あとは通常運転。
長期・分散・積立という原則は、材料が多い週ほど効いてくるかと思います。
一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

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