米金利上昇でもドル円5円の円高|今週の資産形成ニュース(9月第1週)

今週の資産形成ニュース

今週は為替が主役の一週間でした。米イラン情勢と米長期金利の上昇(4.81%台)を受けて、ドル円は週初に160円39銭まで上昇。ところが週央から流れが反転し、9月3日には155円30銭まで、5円近い円高が進みました。

きっかけは、日米当局者の発言と日銀の利上げ観測。雇用統計は予想を大きく上回る強い内容で、ドル円は156円75銭まで戻し、156円21銭で週の取引を終えています。前週末比では約4円の円高。

金融の現場を30年見てきた立場からすると、金利・為替・地政学が同時に動く局面ほど、個人投資家は「動かない」判断が効いてくる場面かと思います。

S&P500
7,718.60
+0.09%(前週末比)

NYダウ
53,414.25
-0.27%(前週末比)

ドル円
156.21円
-2.49%(円高)

CNN Fear & Greed Index

Extreme FearNeutralExtreme Greed
42 / Fear(恐怖)
1週間前はNeutral、1カ月前はGreedでしたので、この1カ月で心理は着実に慎重側へ。一方で原油高と金利上昇にもかかわらず、VIXは14〜17のレンジに25営業日連続でとどまり、1992年5月以来の記録に1日差まで迫りました。

米国市場:地政学と利上げ観測が同時に来た週

中東情勢の再燃と原油高

8月31日以降、米国とイランの攻撃応酬が再燃しました。ホルムズ海峡沿岸のイラン軍事施設への空爆、イラン側による地域の米軍基地への報復と、緊張が一気に高まっています。

商業船の海峡通航は停止し、ブレント原油は97ドル台まで上昇。週間では約7%の上げとなりました。米国内ではディーゼル価格が過去最高を更新し、全米平均で1ガロン5.85ドル

エネルギー価格はインフレの起点になりやすく、株式より先に債券市場が反応した形。

米8月雇用統計と「利上げ」観測

9月4日発表の8月米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比16.2万人増。市場予想の5.5万人増を大幅に上回り、3月以来の伸びとなりました。失業率は4.1%で横ばい、平均時給は前年比+3.1%

ウォーシュFRB議長はジャクソンホールで物価抑制に向けた追加利上げの必要性に言及し、バーFRB理事も条件付きで利上げを支持する姿勢を示しました。

一方でウィリアムズNY連銀総裁やウォラーFRB理事は据え置きを支持。9月15〜16日のFOMCでの利上げ確率は50%前後で拮抗しています。

現行の政策金利は3.50〜3.75%

注目指標と投資家心理

指数はほぼ横ばい、投資家心理はやや慎重、ボラティリティは歴史的低位。この3つが同居しているのが今週の特徴かと思います。

強い雇用が「利上げ材料」として警戒される、いわゆる good news is bad news の構図。

金融機関に30年勤務した経験から

エネルギー価格の上昇は、消費者物価に届く前にまず金利と企業の資金繰りに影響していきます。

株価指数が横ばいでも、債券市場が先に動いているときは、水面下で環境が変わっている可能性がある。指数だけを見ていると気づきにくい部分かと思います。

日本市場:円高と株安が同時進行

日経平均・TOPIXの動き

日経平均は9月4日に前日比806円46銭高の65,020.94円と反発しましたが、週間では前週末比-1,384.62円(-2.09%)

TOPIXも4,103.23ポイントで週間-1.05%と、続いていた上昇基調がいったん止まりました。

円高が輸出関連の重荷になった構図。

為替(ドル円)の動向

週初は米イラン情勢と米10年債利回りの上昇(4.81%台)を受けて160円39銭まで上昇し、7月末以来の高値を更新。

ところが、そこから流れが一変します。

ベッセント米財務長官が植田日銀総裁との会談(8月30日)で「円の大幅な過小評価に対処するため、日本が断固とした措置を講じることを強く支持する」と伝えていたことが、9月1日に公表されました。

8月31日には片山さつき財務相とも会談。日銀の高田創審議委員も9月2日、機動的な利上げ対応の必要性に言及しています。加えてGPIFの基本ポートフォリオ変更観測も重なり、ドル円は9月3日に155円30銭まで急落しました。

翌9月4日の雇用統計は予想を大きく上回り、ドル買い材料で156円75銭まで戻し、終値は156円21銭。週間では前週末(160円21銭)比で約4円、率にして-2.49%の円高となりました。

米金利が上昇した週に円高が進んだ、という点が今週のねじれ。

なお7〜8月には総額15兆3,993億円の円買い介入が実施され、日米協調介入も行われていました。

介入・金融政策・地政学が同時に効いている、やや特殊な相場環境ですね。

外部の見通しとしては、外為どっとコムが9月7日週のドル円予想レンジを153.00〜158.00円としているほか、三井住友DSアセットマネジメントは155円がサポートラインになりやすいとの見方を示しています。

※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。

今週のブログ更新

今週の書評は『エッセンシャル思考』(グレッグ・マキューン)。
シリーズ「資産形成の持久力」第4回/全14回です。

キーワードは「より少なく、しかしより良く」。
99%の無駄を捨て、1%に集中する。

本書ではウォーレン・バフェットが「絶対に確実と思われる投資先だけに限定し、そこに大きく賭けた」例も紹介されています。

自分が理解できる範囲に絞る。それ以外には手を出さない。この規律を持てるかどうかが、長期の成果を大きく分けます。

金融機関に30年勤務した経験から見ても、投資の現場でよく見るのは逆のパターン。

話題の銘柄、注目のテーマ、新しいファンドと手を広げ、一つひとつを深く理解しないまま持っている。だから下落局面で判断ができない。

今週のように材料が多い週ほど、効いてくる話かと思います。

▶ 書評を読む:エッセンシャル思考|99%を捨て、1%に集中する生き方

📚 この本を読んでみたい方はこちら

👤 今週の個人的な記録

毎朝の「朝活」を続けています

今週も朝活を継続しました。やっていることは、この6つ。

・Wikipediaのランダム読み(知らない世界に触れる)
・資格の勉強
・読書
・相場・ニュースのチェック
・X・ブログ(アウトプット)
・ランニング・筋トレ

誰にも邪魔されない、集中できる時間。ここがいちばんの価値かと思います。

視野を広げつつ、インプットとアウトプットを繰り返す。そして健康という資産にも投資しつづける。

少しずつ習慣化していくと、やがて毎日のルーチンになり、じわじわ育っていきます。

みなさんも始めてみませんか。

来週の注目ポイント

9/7(月)米レイバーデー休場 — 薄商いの中での為替変動に警戒

9/11(金)8月米CPI — 予想は前年比+3.4%、上振れならFOMC利上げ観測が加速

9/15-16 FOMC — 利上げ確率は50%前後、ウォーシュ議長の会見が焦点

9/17-18 日銀金融政策決定会合 — 利上げはほぼ織り込み、焦点はその先のペース

原油と米長期金利 — ブレント90ドル台、米10年債4.8%台と米国債入札の消化状況

まとめ

原油、金利、為替、地政学。今週は材料が多すぎて、どれか一つに反応して動くと逆方向に振られやすい週でした。

こういうときこそ「長期・分散・積立」という3つの言葉に立ち返るのがよいかと思います。

相場が読めないことを前提に設計されているのが積立投資の強み。

読めない週は、読まなくていい仕組みに任せる。それだけで十分かと思います。

一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

50代からの資産形成について、私の方針や経歴をまとめています。

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aroundfiftyreal(50代リアルマネー)|金融30年・海外10年

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