雇用減速でもS&P500最高値|今週の資産形成ニュース(8月第1週)

今週の資産形成ニュース

米雇用統計がマイナスに沈んだ週に、S&P500は週間3.58%高で過去最高値を更新しました。金利の低下期待が株を押し上げる、教科書どおりの反応。銀行の現場に30年いた立場から見ると、「悪い数字で株が上がる」局面ほど、判断を単純化しすぎない姿勢が必要になります。

S&P500
7,757.64
前週末比 +3.58%
NYダウ
54,036.93
前週末比 +2.96%
ドル円
157.75円
前週末比 −0.12%
Fear & Greed Index
Extreme FearNeutralExtreme Greed
64 — Greed(強欲)
出所:CNN Fear & Greed Index(2026年8月7日時点)

米国市場:雇用の失速が金利観測を塗り替えた週

7月雇用統計、まさかのマイナス2.3万人

8月7日に発表された7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比2.3万人の減少。市場予想は8.3万人増でしたから、10万人以上の下振れ。

政府部門が5.3万人減ったほか、小売・レジャー・ホスピタリティも軟調でした。

失業率は4.1%へ低下したものの、これは職探しをやめた人が増えた結果という側面が指摘されています。平均時給の前年比は3.2%まで鈍化し、2021年5月以来の低い伸び。

「利上げ観測」の後退が株を押し上げた

直前まで、複数のFRB高官が9月利上げの可能性に言及していました。そこに雇用のマイナスが出たことで、利上げ観測が一気に後退。米長期金利は低下し、株式には追い風となりました。

S&P500は7日に7,757.64で最高値引け。NYダウは54,036.93、ナスダックは半導体株の反発を受けて週間5%超の上昇となり、4月以来の強い週でした。

注目指標と投資家心理

CNNのFear & Greed Indexは64で「Greed(強欲)」ゾーン。週の途中では原油高を受けてダウが450ドル超下げる日もあり、体感ほど一本調子の週ではありませんでした。

👤 銀行員30年の視点

「弱い経済指標で株が上がる」局面は、金融政策への期待が実体経済への懸念を一時的に上回っている状態。この関係は永続しない傾向にあります。指標の弱さが企業業績に反映され始めると、同じニュースが逆に働く可能性もあります。だからこそ、値動きの方向より積立の継続を優先するのが原則かと思います。


日本市場:介入後の落ち着きと決算シーズン

日経平均・TOPIXの動き

日経平均は8月7日に65,606.71円で引け、前週末比+1.93%。TOPIXは4,074.93で同+1.79%

前週7月31日に日経平均が1日で2,494円高となった反動もあり、今週は方向感を探る展開。7日はソフトバンクグループやレーザーテックの下落で一時1,000円超下げる場面もありました。

決算発表がピークを迎え、個別の材料が指数を揺らす典型的な夏の相場。

為替:15年ぶりの日米協調介入

今週最大のニュースは、やはり為替でした。

財務省は8月3日、米当局と協調して米東部時間7月31日に円買い介入を実施したと発表。協調介入は2011年の東日本大震災直後以来15年ぶりで、円買い方向では1998年以来およそ28年ぶりとなります。

ドル円は約40年ぶりの安値圏となる164円近辺から急落。週明け8月3日の東京市場では一時155円22銭まで円高が進み、5月6日以来の水準を付けました。

その後は156円台〜157円台へ戻し、8月7日は157円75銭と、157円台後半で週を終えています。

海外に10年いた感覚で言えば、通貨当局が「協調」という言葉を使うときの重みは、単独介入とは別物。

外為情報サイトでは、介入後もトレンド反転は難しいとの見方や、追加介入の余地を指摘する声が紹介されています。

※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。


今週のブログ更新

今週は『教養としての投資』(奥野一成)を取り上げました。

「労働者として稼ぎ、投資家として増やす」——50代に必要な、もう一つの思考法。

印象に残ったのは、S&P500を「世界最強のアクティブファンド」と捉える視点。入れ替え戦によって、常に強者だけが残る仕組みになっている、という整理です。

金融機関に30年勤務した経験から見ても、同じ景色を見てきました。

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👤 今週の個人的な記録

30年分の値段を並べてみた

QBハウス:1,000円(1996年)→ 1,400円

丸亀製麺のかけうどん:280円(2006年)→ 440円

日経平均:1.7万円(2006年)→ 6.4万円

上がった時期は、ほぼ同じ。

値上げは企業の売上になり、やがて株価に乗るからです。

現金で持ち続けるか、値上げする側を少し持つか。差が生まれたのは、そこ。

デフレマインドを脱却し、インフレや為替変動へのヘッジとしての投資が、これまで以上に重要になっていると感じています。

今週の協調介入のニュースも、同じ話の別の面。日本銀行「資金循環統計」によれば、2026年3月末の家計の金融資産は2,385.7兆円で過去最高。一方、ドル換算すると2011年末のピーク時を下回る水準になります。

「増えたのは資産か、それとも数え方か」——今週いちばん考えたのは、この問いでした。


来週の注目ポイント

米7月CPI(8/12) — 9月FOMCの利上げ観測を左右する最大の指標
米小売売上高 — 雇用の弱さが消費に波及しているかの確認
日本の4-6月期GDP1次速報 — 円安と物価の影響を測る
国内企業の決算発表ピーク — 指数より個別株の振れに注意
為替当局の発言・追加介入の有無 — 協調介入の効果の持続性

まとめ

雇用は弱く、株は最高値、通貨は15年ぶりの協調介入。3つの材料が同じ週に並ぶと、どれか1つに反応して動きたくなります。

ただ、長期の資産形成で効くのは、こうした週にこそ淡々と積み立てを続けること。

「長期・分散・積立」は退屈ですが、退屈さこそが仕組みの強さですね。

一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

50代からの資産形成について、私のプロフィールと投資方針をまとめています。

▶ aroundfiftyreal について

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