S&P500は週間1.4%安の7,674.37。3週続いた上昇が、いったん止まりました。
ただ、今週の主役は株ではなく債券。米30年債利回りは5.25%と、約20年ぶりの高い水準まで上がっています。
金融機関に30年勤めてきた立場からすると、長期金利そのものがこれほど相場の中心に置かれる週は、そう多くない印象。株価指数だけを追っていると、この動きは見えにくいところ。
米国市場:長期金利が株の重しに
30年債5.25%、財務省の買い入れ拡大も効果は限定的
18日、米30年債利回りが約20年ぶりの水準まで上昇しました。
これを受けて19日、米財務省が10年・20年・30年債の買い入れ(バイバック)を、今後数カ月で少なくとも倍増させると発表。
ベッセント財務長官は、公表済みの40億ドルより規模が大きくなる可能性にも触れています。
利回りはいったん低下したものの、週末にかけて再び5.25%近辺へ。
ロイターの試算では、上乗せ分は四半期あたり約140億ドル。32兆ドル規模の米国債市場に対しては小さく、効果が続きにくかった格好。
そして、金利を無理に抑えにいけば、調整はドル安として出る——そんな見方も広がりました。
ドル指数は約3カ月ぶりの安値圏。金は週間3.6%高の1オンス4,540ドル台、ビットコインは一時7万7,000ドル台まで買われています。
ウォルマート9%安、消費と製造業のねじれ
20日、ウォルマートが米国内既存店売上高の伸びが6年ぶりの低さだったと発表。
株価は9%超の下落となり、ダウは一時700ポイント超下げて、終値は52,759.21ドルでした。
一方で同じ日、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は8月に47.4と、2021年4月以来の高水準。
新規失業保険申請件数も20.6万件と底堅い数字でした。
消費は弱く、製造業と雇用は強い。
このねじれが、金利低下シナリオを描きにくくしている要因かと思います。
21日はヘルスケア株に支えられ、ダウが517.80ドル高(+0.98%)の53,277.01ドルと反発。
それでも週間では、ダウ0.85%安、S&P500は1.43%安、ナスダックも2%程度の下落となりました。
株価より先に債券市場が動く局面がある、というのは一般的な観察としてよく言われることかと思います。
長期金利の水準は、住宅ローンの金利から企業の設備投資判断まで、生活のあちこちに効いてきます。
株価指数だけを見ていると、その変化が数カ月遅れて届くことになりがち。
今週のように30年債が主役になる週は、むしろ全体像を確認しやすいタイミングかもしれません。
注目指標と投資家心理
CNNのFear & Greed Indexは55で「Neutral(中立)」。前回の57から低下しています。
VIXは16台。
原油はブレントが1バレル93〜94ドル台で、2週連続の上昇。
米国とイランの緊張、ホルムズ海峡の通航減少が引き続き重しになっています。
日本市場:金利と中東で3週ぶりの大幅安
日経平均・TOPIXの動き
日経平均は21日終値66,016.36円。前週末比2,697.44円安、率にして3.93%の下落でした。
TOPIXは4,067.29ポイントで3.10%安。
前週14日には日経平均68,713.80円、TOPIXは終値ベースの最高値4,197.20ポイントをつけていました。
そこから18日に1,759円安と急反落。中東情勢と日米の金利上昇が重なった形。
21日は一時65,260.22円(前日比956円57銭安)まで下げる場面もありましたが、押し目買いに支えられ下げ幅を縮小しています。
為替(ドル円)の動向
21日の東京市場は、1ドル=158円後半で終えています。
前週末のNY終値159円32銭からは、ほぼ横ばい〜わずかに円高。
週内は159円70銭台まで円安が進む場面がある一方、20日には158円03銭前後まで円高に振れる場面もありました。
外為情報サイトの解説では、200日移動平均線が通る158円30銭台が下値のメドとして意識されている、と紹介されています。
※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。
今週のブログ更新
今週の書評は『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣』です。
シリーズ「資産形成の持久力」の第2回/全14回。
毎日1%の改善を続けると、1年後には37.78倍。逆に毎日1%悪くなると、1年後には0.03まで落ち込む。
この落差が、本書の出発点です。
印象に残ったのが、陶芸クラスの実験の話。
「量グループ」と「質グループ」に分けたところ、量をこなしながら試行錯誤した側が、完璧な1作品を考え続けた側より質の高い作品をつくっていた、という結果でした。
記事の中では、毎朝の腹筋10回から始めて1年後に20回まで増え、体重が5kg落ちたという自分の記録にも触れています。
金融機関に30年勤務した経験から言えば、資産形成も習慣も「長く続けること」が唯一の正解です。
→ 複利で伸びる1つの習慣|毎日1%の改善が、1年後に37倍の差を生む
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👤 今週の個人的な記録
今週は、家族でシンガポール旅行を計画しました。
飛行機代や宿泊費が高騰していることに、あらためて驚きました。
全部で100万円ほどかかりそうです。いや、もっとかかるかもしれません。
間もなく子供たちも巣立ち、来年からは妻と二人になります。
家族で旅行する機会があとどれくらいあるかと考えると、かなり寂しい。
お金より、この時間のほうが代えがたい貴重な財産。
こういう時こそ「使う力」を発揮してまいります。
貯める力と増やす力については毎週書いていますが、使う力を試される場面は、意外と急にやってきます。
来週の注目ポイント
まとめ
金利が動くと、株も為替も金も一緒に揺れます。今週はそれが、はっきり出た週でした。
海外に10年いた経験から思うのは、こういう週ほど各国のニュースが同じ材料を別の角度から報じている、ということ。
どれか一つだけを見ると、全体像を見誤りやすい。
指数の上下は自分では動かせませんが、積立の設定と、毎月いくら入金するかは自分で決められます。
そこだけ淡々と続けるのが原則。
そして、使うべきときに使えることまで含めて資産形成かと思います。
一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

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