原油高でS&P500週間下落|今週の資産形成ニュース(9月第2週)

今週の資産形成ニュース

今週は「エネルギーと金利」に振り回された一週間。
S&P500は金曜に4営業日ぶりの反発を見せたものの、週間では-0.80%と小幅なマイナス。日経平均は2週続けて1000円を超える下落となりました。
金利が動く局面では、株式よりも先に債券と為替が反応しやすい
——金融の世界で長く共有されてきた見方ですが、今週はその順序どおりに動いた印象があります。

S&P500
7,656.98
-0.80%(前週末比)
NYダウ
52,573.29
-1.57%(前週末比)
ドル円
153円台後半
約-1.6%(円高)
CNN Fear & Greed Index
Extreme FearFearNeutralGreedExtreme Greed
33 / Fear(恐怖)
米国の株式ファンドからは週間322.7億ドルの資金流出。大型株ファンドは404.4億ドルと過去最大。

米国市場:原油とインフレに揺さぶられた一週間

中東情勢の緊迫と原油高

今週の主役は原油でした。ホルムズ海峡周辺の航路をめぐる緊張が続き、供給不安から原油価格が急騰。

WTI原油は一時5月中旬以来の高値をつけ、週末金曜こそ100.05ドル(-2.37%)と反落したものの、週間ではおよそ8%の上昇となりました。

影響は原油そのものより、その先にあります。
米国のディーゼル価格は1ガロン6ドルを突破して過去最高を更新。輸送コストは、ほぼすべての商品の価格に乗ってくる性質のもの。市場が原油を見ているのは、原油そのものではなくインフレを見ているから、という構図です。

8月CPIは想定内、それでも利上げ観測は9割へ

金曜に発表された米8月CPIは、総合が前月比+0.4%(予想と一致)、前年比+3.4%。コア(食品・エネルギー除く)は前月比+0.3%と予想の+0.2%をやや上回り、前年比は+2.4%で2021年3月以来の低水準でした。

「おおむね想定内」の内容でしたが、市場の反応は明確。
FF金利先物が織り込む9月FOMCでの利上げ確率は、CPI発表前の約7割から約9割へ切り上がりました。前日に発表された8月PPI(卸売物価)の上振れも効いています。

注目指標と投資家心理

金利は世界的に上昇しました。
米10年債利回りは4.974%と2023年10月以来の高水準、2年債は4.65%、30年債は2007年6月の高値5.40%に迫る水準まで上昇。
ドイツ10年債は2009年以来、日本10年債は1996年以来の高さです。

Fear & Greed Indexは33で「Fear(恐怖)」ゾーン。
資金フローにも表れており、米国の株式ファンドからは週間322.7億ドルの資金流出、大型株ファンドは404.4億ドルと過去最大の流出でした。
金曜の反発は、この地合いの中での「4日続落からの一服」と見ておくのが素直かと思います。

金融機関に30年勤務した経験からの視点

金利の水準が切り替わる局面では、債券と為替が先に動き、株式が遅れて反応する
——これは金融の現場で古くから共有されてきた見方。
今週の米10年債4.97%、日本10年債2.98%、そしてドル円152円台という順序は、その典型的なパターンに近い形。株価の数字だけを追うと、何が起きているのか分かりにくい週でした。

日本市場:2週連続の大幅安と、152円台の円高

日経平均・TOPIXの動き

日経平均は9月11日に前日比1259円61銭安の6万4011円34銭で引け、前週末比では約1009円安(-1.55%)。2週連続で1000円を超える下げとなりました。TOPIXは4028.30(前日比-0.65%)。

背景は米国とほぼ同じで、原油高と日米長期金利の上昇です。
半導体・AI関連を中心に売りが優勢となり、6万円台半ばでは買いが入りにくい状況が続いています。

為替(ドル円)の動向

ドル円は今週、大きく円高に振れました。
前週末の156円台前半から、週末は153円台後半。週間で2円以上(約-1.6%)の円高です。週内には一時152円台まで下落し、対ドルで約7カ月ぶりの円高水準をつけました。

きっかけは日銀の追加利上げ観測。
OIS市場が織り込む9月会合での0.25ポイント利上げ確率は96.8%まで上昇しており、円を低金利の調達通貨として使う円キャリー取引の巻き戻しが円買いを加速させたとみられます。
週後半は原油高と米金利上昇を受けて154円台まで戻す場面もありました。

外為情報サイトでは、来週のドル円予想レンジを152.50〜156.50円とする見方が紹介されています。

※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。

今週のブログ更新

今週の書評は、アダム・グラント『THINK AGAIN』。
シリーズ「資産形成の持久力」第5回/全14回です。

「考え直せ」という本書と、
「感情を挟まず淡々と積立を続ける」という長期投資の原則は矛盾しないのか。

読み終えて、矛盾しないと分かりました。

考え直さないのは仕組み、考え直すのは自分の意見。
グラント自身が、そこに線を引いています。

暴落時に「よく考えた結果、いったん売ります」と言う方の多くは、実際には考えた結果ではありません。恐怖が、分析の顔をしているだけです。

金融機関に30年勤務した経験から言うと、
投資の失敗はたいてい「自分の正しさを守る」ところで起きています。

今週のように原油と金利で相場が揺れる週にこそ、読み返す価値のある一冊。

▶ 書評記事を読む:THINK AGAIN|考え直すもの、考え直さないもの

📚 この本を読んでみたい方はこちら

👤 今週の個人的な記録

FP2級、試験日が12月に決まりました。

朝活のひとつとして、FP2級の勉強を続けています。

金融機関での経験や、昔勉強した税理士試験の相続税など、復習になる部分も多いのですが、個人の資産形成に必要なことがぎっしり詰まっていて、とても勉強になります。

試験の日時や場所は自分で選べると聞いていたので、いつでも予約できるものだと思っていました。ところが調べてみると意外と空きがなく、結局12月の受験に。

試験日が決まったので、あとは勉強あるのみ。朝活、頑張ります。

来週の注目ポイント

9/16(水)米FOMC — 利上げ確率は約9割。ウォーシュ議長の会見トーンが焦点

9/16(水)米8月小売売上高 — ミシガン大指数47.8と大幅悪化。消費の実態を確認

9/17(木)BOE金融政策 — 英8月CPI(9/16)とセットで

9/18(金)日銀会合+植田総裁会見 — 焦点は利上げ幅より、その後のペース

原油と長期金利 — 米10年4.97%、日本10年2.98%は1996年以来の水準

まとめ

原油、金利、中銀会合。
短期の材料が重なると、相場は必ず落ち着かなくなります。

でも今週のS&P500は、4日続落してから金曜に反発して、週間では-0.8%。
1週間まるごと見れば、この程度の振れ幅。

長期・分散・積立という三つの言葉は、こういう週にこそ効いてきます。

値動きを追いかけるのではなく、積立の設定が続いていることを確認するだけで十分。

一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

50代からの資産形成について、私の方針や経歴をまとめています。

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aroundfiftyreal(50代リアルマネー)|金融30年・海外10年

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