今週は、FRBと日銀がそろって利上げに動いた週。
FRBは3年ぶりに政策金利を引き上げ、日銀も0.25%の利上げで1.25%程度と31年ぶりの水準へ。
それでもドル円は一時157円96銭まで円安が進んで156円台後半で週を終え、日経平均は6万5018円95銭まで戻しました。
金利が上がれば通貨は買われる、という教科書どおりには動かない週。
金融の仕事を30年続けてきた立場から見ても、市場は「今回の決定」より「次の一手」を見ている、と改めて感じる1週間でした。
米国市場:3年ぶりの利上げを、株はどう受け止めたか
FRBが0.25%利上げ、政策金利は3.75〜4.00%へ
9月16日のFOMCで、FRBは政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4.00%としました。利上げは3年ぶり、採決は12対0の全会一致。
背景にあるのはエネルギー価格を起点としたインフレの再加速。中東情勢に絡むホルムズ海峡の供給不安から原油が100ドル近辺まで上昇し、これが物価に波及した格好。
18人の参加者のうち16人が年内の追加利上げを想定しているとされ、市場も年内あと1回の利上げを織り込む状態にあります。
JPモルガンのダイモンCEOがインフレ克服を断言できないと述べたことも、今週の市場の空気をよく表していたかと思います。
AI関連の急落と、その後の戻り
週の前半は、AI開発ペースをめぐる議論をきっかけに半導体関連が売られる場面がありました。
ただし木曜には反発。インテルが8%高、AMDが6%高と戻し、フィラデルフィア半導体指数は週を通してみれば小幅安にとどまりました。
指数全体では、S&P500が先週末比−0.08%とほぼ横ばい、ナスダックは+0.72%。一方でNYダウは−1.69%と、バリュー・景気敏感セクターの重い週。
同じ「米国株」でも中身によってこれだけ差が出るのが、今の相場の特徴。
注目指標と投資家心理
CNNのFear & Greed Indexは29と「Fear(恐怖)」ゾーン。米10年債利回りは5%近辺での推移が続いており、株式のバリュエーションを重くしています。
指数は落ち着いて見えても、投資家心理は慎重。この温度差は、記録しておく価値がある部分かと思います。
金融政策の発表そのものより、その後の「次はいつか」という織り込みのほうが、市場を動かす場面が多い。
今週の利上げは事前にほぼ確実視されており、動いたのは声明文の温度感と、参加者の見通し分布のほう。
ニュースの見出しと相場の反応がずれたときは、たいてい市場がもう一歩先を見ている、と考えると整理しやすいかと思います。
日本市場:利上げを通過し、6万5000円台を回復
日経平均・TOPIXの動き
日経平均は18日に前日比882円70銭高の6万5018円95銭で終え、3日続伸。終値ベースで約1週間ぶりに6万5000円台を回復しました。
週間では先週末比+1,007円61銭(+1.57%)。TOPIXも4,091.14と+1.56%で、値がさ株偏重ではない、幅のある上昇。
日銀会合の結果公表後には一時1,300円を超える上昇となる場面も。
9人の政策委員のうち2名が利上げに反対したことで、引き締めペースが急加速するわけではないと受け止められたことが背景とされています。
為替(ドル円)の動向
ドル円は18日のニューヨーク市場で157円96銭まで上昇したあと、156円85銭前後に落ち着きました。日銀が利上げに踏み切った当日に、その円が売られる、という展開。
9月に入ってからドル円は160円近辺から152円台まで下げており、投機筋が積み上げていた円買いポジションの巻き戻しが出た、との見方が市場では有力です。
週の出発点が153円台前半だったことを考えると、1週間で3円を超える変動。介入警戒も意識される水準に戻ってきました。
外為情報サイトでは、200日移動平均線が位置する158円台半ばを上抜けるかどうかが当面の焦点、との解説が出ています。報道ベースの一般情報として、再び160円方向を試す可能性を指摘する見方も紹介されています。
※上記は各社の見通しの紹介であり、私自身の相場予想ではありません。
なお8月の全国消費者物価指数は前年比1.9%、生鮮食品を除くコアが1.7%。日銀が利上げに踏み切った一方で、物価は2%をやや下回る水準にあります。
今週のブログ更新
今週の書評は、藤野英人『投資家が「お金」よりも大切にしていること』。シリーズ「資産形成の持久力」の第6回/全14回にあたります。
レオス・キャピタルワークス創業者でファンドマネジャーの藤野氏が語る投資の目的は、リターンでも資産形成でもなく「世の中を良くして、明るい未来をつくること」。
本書でもっとも印象に残ったのが、エネルギーの方程式。
エネルギー = 情熱 × 行動 × 時間 × 回数 × 知恵 × 体力 × お金 × 運
すべてが掛け算で、最後に「運」が掛かる。どれかがゼロなら全体もゼロ。そして運だけは、自分では動かせません。
金融機関に30年勤務した経験から見ても、成果の一部が運であることを認められない人は少なくない、と感じます。
運の存在を認めるのは諦めではなく、運以外の部分に集中するための現実的な態度。
それでも、運以外に注いだエネルギーは嘘をつかない。日米そろっての利上げに振り回された今週のあとに読むと、なおさら効く一冊。
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👤 今週の個人的な記録
大前研一さんの『時間とムダの科学』に、人間が変わる方法は3つしかない、という話が出てきます。
① 時間配分を変える ② 住む場所を変える ③ 付き合う人を変える
このうち、いちばん変えやすいのが1つ目の時間配分。
たった数時間ずらして、早く寝て朝活するだけで、1日の充実度が変わる。実際にやってみると、そう実感します。
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・Wikipediaのランダム読み ── 視野を広げる
・資格の勉強 ── 専門性を磨く
・相場ニュースのチェック ── 世界と経済の動きを追う
・Xとブログでの発信 ── 頭の整理とアウトプット力
・ランニングと筋トレ ── 健康資産を増やす
どれも1日単位で見れば、たいした量ではありません。
それでも毎日コツコツ続けていると、投資と同じで、ふとした時に伸びているのに気づく。
積み上げているあいだは自覚が薄い、というところまでよく似ています。
来週の注目ポイント
まとめ
日米そろっての利上げという、めったにない週。
それでも為替は教科書どおりには動かず、株式指数も中身によって明暗が分かれました。
こういう週こそ、短期の材料を追いかけるより、長期・分散・積立という当たり前の型を守るほうが結果的にラク。
来週も市場は動きますが、積み立ての設定は動きません。
一緒に頑張っていきましょう。良い週末を!

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