📚シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント

書評
※本記事にはプロモーションが含まれています

1年前、この本についてこう書きました。

「満員の通勤電車の逆方向に走っている感覚」

あれから1年。毎週1冊の書評を書き、14週連続のシリーズも走り切りました。

そのうえで、もう一度この本を開いています。

この本を一言でいうと

努力より、判断。そして富は、金持ちになることとは違う、という本です。

著者のエリック・ジョーゲンソン氏は、米国の起業家・作家。
投資家ナヴァル・ラヴィカント氏の発言を、10年分集めて体系化した一冊です。

構成は、序章/第1部 富/第2部 幸福/終章。
後半の半分が「幸福」に充てられています。

▼本はこちら

1年前に、刺さったこと

① 努力は過大評価され、判断は過小評価されている

最初に読んだとき、ここで脳天をブチ破られた感じがしました。

半世紀生きてきて、努力すれば報われると思ってきました。

自分で勉強し、働き、労働収入を得る。その世界観しか持っていなかった。

本書はこう言います。努力は必要だが、方向を誤れば成果は出ない。

重要なのは、どこに努力を注ぐかを決める判断のほうだと。

会社員をしていると、ここが難しい。

仕事や人間関係のことで週末も頭がいっぱいになり、
判断のための脳のすきまがなくなっていきます。

だから1年前、こう書きました。「判断のために使う時間を、少しでも多く作りたい」と。

この1年でやったことは、ひとつです。朝4時からの時間を、判断のための時間にした。

はじめは、ただ読んで書くだけの時間でした。
続けているうちに、考える時間に変わってきました。

② 1日1〜2時間の読書が、効く理由

本書は、継続的な学びこそ最大の差別化要因だと言います。

毎日1〜2時間の読書を積み重ねるだけで、
知識の面で世界のトップ層に入れると、著者は言い切ります。

情報は誰にでも開かれている。それでも、学び続ける人はごく少数だからです。

通勤電車で見渡すと、だいたいこんな割合です。

スマホ8割。眠っている人が1.5割。その他0.5割。

ほとんどの人は、途切れない情報に溺れるか、疲れ果てて寝ている。

だからこそ、本を開く人は差別化できる。むしろチャンスだと思えてなりません。

1年前は、これを言葉として受け取っただけでした。

今は違います。実際に1年続けてみて、分かったことがあります。

読むだけでは、何も変わりませんでした。

変わったのは、読んだあと書くようになってからです。
書こうとすると、要点を決めなければならない。

その作業が、判断の訓練になっていました。


1年たって、刺さるようになったこと

1年前に挙げた3つは、すべて第1部「富」からでした。

後半の「幸福」の章には、一度も触れていません。

今読み返すと、目が留まるのはそちらのほうです。

③ 富と、金持ちは違う

本書は、この2つをはっきり分けます。

金持ちになるとは、時間を売ってお金を得ること。
富を持つとは、寝ているあいだも働く資産を持つこと。

そして本書が挙げる富の源泉は、お金ではありません。

自分にしかない知識と、それを広げる仕組み。この2つだと言います。

1年前は、これを遠い世界の話として読んでいました。

シリコンバレーの投資家の話で、会社員の自分には関係がない、と。

今は、そうは思いません。

このブログがそうだからです。書いた記事は、私が寝ているあいだも読まれている。

規模の話ではなく、構造の話です。

時間を売らずに積み上がるものを、ひとつ持っているかどうか。
50代でそれを始められるかどうかは、大きな差になります。

④ 幸福は、身につけられる技術だという

第2部で、本書はこう言います。

幸福は、性格でも才能でもなく、学べる技術である。

そして、欲望についての指摘が続きます。

何かを強く欲しがるということは、
それが手に入るまで不幸でいると、自分に約束することだと。

1年前、ここは完全に素通りしていました。

精神論に見えたのだと思います。

今年読んだ本が、見え方を変えました。

『DIE WITH ZERO』は、お金は増やせても時間は増やせないと書く。

『THE POWER OF REGRET』は、人が後悔するのは
やったことではなく、やらなかったことだと書く。

そのあたりから、80歳の自分から今を眺めるようになりました。

100歳までの資金繰り表で、80歳の行にカーソルを合わせ、
そこから過去を振り返ってみる。

すると、問いが変わります。

「いくら増やせるか」ではなく、「80歳の自分が後悔しないのはどちらか」になる。

資産を増やすことと、幸福であることは別の問題です。

50代は、後者を考える時間が増える年代なのだと思います。

📚 この本を読んでみたい方はこちら

この本を読んで得られる変化

  • 「努力が足りない」で片づけるのをやめられる
  • 判断に使う時間を、意識して作るようになる
  • 時間を売らずに積み上がるものを、探すようになる
  • 読書が、娯楽ではなく手段として位置づけ直される
  • 資産を増やすことと、幸福であることを分けて考えられる

こんな人におすすめ

  • 働いているのに、前に進んでいる実感がない人
  • 何を学ぶべきか決められず、情報に溺れている人
  • 定年後に何で稼ぐかを、これから考える人
  • 貯めてきたが、使い方と幸福がつながらない人
  • 50代から、残りの時間の使い方を決め直したい人

まとめ|判断に使う時間を、どう作るか

1年前、私はこう書いて記事を終えていました。

「判断のために使う時間を、少しでも多く作りたい」

1年たって、できるようになったことがあります。

朝4時からの時間を確保したことです。読んで、書いて、考える。それを1年続けました。

1年前との違いは、はっきりしています。

読んだものが、前の本とつながるようになった。つながると、判断が速くなります。

AIが発達し、情報は瞬時に手に入り、次の一手まで示してくれる時代です。

だからこそ、自分にしかない一次情報をもとに判断することの価値が、
上がっていくのではないでしょうか。

そしてもう一つ。

この本の後半が教えてくれるのは、
判断の先に置くものを、自分で決めておくということです。

富を増やすためだけの判断なら、いつまでも終わりません。

来年またこの本を開いたとき、今度はどこに目が留まるのか。それも楽しみにしています。

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