大学生の子どもがアルバイトを始め、「年収いくらまでなら大丈夫か」を調べてみました。
103万、123万、136万、150万、178万と数字が多く、正直かなり混乱しました。
整理してみた結論は、意外なほどシンプルでした。
健康保険の150万円未満だけ気にすればいい
この記事でわかること
- 大学生の子どもの年収ライン早見表(2026年版)
- 税金より健康保険に注意すべき理由
- 親の所得が高い家庭・退職後の家庭の注意点
※2026年9月時点の制度です。
19〜22歳の大学生で、収入はアルバイトの給与のみという前提です。
大学生の子どもの年収ライン早見表(2026年分)
まず全体像です。子どものバイト年収(給与収入)ごとに、何が起きるかを並べました。
| 子の年収 | 何が起きるか |
|---|---|
| 約110万円台 | 子に住民税がかかり始める (影響:小) |
| 136万円 | 親の控除の名前が変わる (金額は同じ63万円) |
| 150万円 | 親の健康保険の扶養から外れる (影響:大) |
| 159万〜197万円 | 親の控除が少しずつ減る (影響:中) |
| 178万円 | 子に所得税がかかり始める (影響:小) |
よく耳にする「103万円」「123万円」は昔の壁で、今は気にしなくて大丈夫です。
次の2つも、大学生にはほぼ関係ありません。
- 106万円の壁:昼間の大学生は、勤務先の社会保険の対象外
- 国民年金:20歳以上なら学生納付特例が使える
なぜ健康保険だけ気にすればいいのか
① 税金は「崖」から「なだらかな坂」になった
2024年までは、子どもの年収が103万円を1円でも超えると、親の特定扶養控除がまるごと消えていました。
親の税率が20%なら約17万円の増税。これが「103万円の崖」です。
そこで2025年に、「特定親族特別控除」ができました。
上限を超えても控除が一気にゼロにならず、少しずつ減る仕組みです。
2026年分では、子の年収159万円までは親の控除63万円が満額のまま。
そこから段階的に減り、197万円でゼロになります。
② 健康保険の150万円は今も「崖」
一方、健康保険の扶養には、少しずつ減る仕組みがありません。
19〜22歳の子どもは、年収150万円未満なら保険料なしで親の健康保険に入れます
(2025年10月に130万円から引き上げ)。
150万円以上になると扶養を外れ、子ども自身が国民健康保険料を払います。
超えた瞬間に負担が丸ごと発生するので、ここだけが今も崖です。
③ 税金と健康保険は「数え方」が違う
もう一つややこしいのが、同じ「年収」でも数え方が違うことです。
- 税金:1月〜12月の実績で判定。通勤手当は含まない
- 健康保険:今後1年間の見込みで判定。通勤手当も含む
健康保険の目安は、月12.5万円未満(交通費込み)です。
年末に調整すれば済む税金と違い、毎月の収入で見ておく必要があります。
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例外として気をつけたい2つのケース
① 親の所得が1,000万円を超える場合
特定親族特別控除には、親の合計所得が1,000万円以下(給与収入でおおむね1,195万円)という条件があります。
これを超える家庭では、子の年収が136万円を超えた時点で控除63万円がまるごと消え、増税額は25万円前後になることもあります。
つまり、136万円が実質の上限です。
もう一人の親の所得が1,000万円以下なら、そちらで控除を受ける方法もあります。
② 親が退職して国民健康保険に移る場合
50代の読者の方には、こちらのほうが身近かもしれません。
国民健康保険には「扶養」の仕組みがないため、家族全員が国保に移れば150万円の壁はなくなります。
そのかわり、子どもの分の保険料が世帯に加算され、子どもの収入に応じて少しずつ上がります。
親が任意継続を選べば、子どもを扶養に入れたままにできます。
ただし収入証明の提出期限が短い場合もあるので、退職前に確認しておくと安心です。
金融機関の現場から見て思うこと
金融機関に30年勤務した経験から言うと、お金の制度は「知っているかどうか」で差がつきます。ただ、今回の年収の壁は、知識のある人でも混乱するほど複雑です。
税金は財務省、社会保険は厚生労働省と所管が分かれ、「扶養」という言葉も別の意味で使われています。
そこに毎年の改正が重なり、パッチワークのようになっています。
だからこそ、「わが家にとって一番大きな崖はどこか」を一つだけ押さえるのが実践的です。
多くの家庭ではそれが健康保険の150万円。子どもには「月12.5万円まで」と伝えれば十分です。
まとめ
- 気にするのは、健康保険の「年収150万円未満」だけ
- 目安は月12.5万円未満(交通費込み)
- 税金は、崖からなだらかな坂になった
- 親の所得が1,000万円超なら、136万円が上限
- 親が国保に移ると、150万円の壁はなくなる
- 今年の所得税は、年末調整や確定申告で取り戻す
数字は2年ごとに見直される仕組みになりました。
来年以降も、制度の変化を追いかけていきます。
※この記事は2026年9月時点の一般的な情報です。個別の状況によって取り扱いが異なる場合があります。
※最終的な判断は、税務署、加入している健康保険組合、税理士などの専門家にご確認ください。
参考:
日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
財務省「令和8年度税制改正の大綱」
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