なぜ投資の本ばかり読まないのか|50代の資産形成を支える「持久力」の話

書評

このブログでは、50代からの資産形成をテーマに、毎週1冊の書評を書いています。

ただ、8月からしばらくのあいだ、投資の本がほとんど出てきません。

習慣の本。思考法の本。行動の本。

「投資ブログなのに、なぜ?」と思われるかもしれません。

この記事では、その理由をお話しします。


投資で負ける理由は、知識不足ではない

金融機関に30年勤務してきて、繰り返し目にしてきた光景があります。

相場が上がっているときは、誰もが強気になる。

そして下がりはじめると、あれほど「長期投資だ」と言っていた人が、あっさり売ってしまう。

知識がなかったわけではありません。

むしろ、よく勉強している人ほど「今回は違う」と理屈をつけて売ってしまうことすらありました。

米国の調査会社DALBARが長年公表しているデータがあります。

投資信託そのもののリターンと、それを買った投資家の実際のリターンには、大きな差がある。

ファンドは利益を出しているのに、投資家は取り逃している。

理由は単純で、高いところで買い、安いところで売ってしまうからです。

つまり、多くの人にとって本当のボトルネックは「知らないこと」ではなく「知っているのに、できないこと」なのです。


資産形成に必要なのは、瞬発力ではなく持久力

投資の本を読めば、何を買うべきかは分かります。

低コストのインデックスファンド。長期・分散・積立。生活防衛資金の確保。

答えは、もう出ています。

問題は、それを20年、30年と続けられるかです。

50代から資産形成を本格化させるということは、70代、80代まで続く話です。

途中には必ず暴落があり、生活の変化があり、心が揺れる場面があります。

そこで効いてくるのが、習慣・行動・思考法という土台です。

これを私は「資産形成の持久力」と呼んでいます。


持久力を支える3つの力

① 習慣の力 ── 意志ではなく仕組みで続ける

毎月の自動積立は、感情を挟まずに同じ行動を繰り返す仕組みです。

意志の力に頼っている限り、いつか折れます。

だからこそ、続けられる仕組みをどうつくるかが決定的に重要になります。

② 行動の力 ── 「やらないこと」を決める

資産形成でやることは、実はとても少ない。

にもかかわらず、話題の銘柄や新しいテーマに次々と手を出して、収拾がつかなくなる。

何をやるかより、何をやらないかを決められるかどうかが差を生みます。

③ 思考の力 ── 感情を「分析」と取り違えない

暴落時に「よく考えた結果、いったん売ります」と言う人がいます。

その多くは、考えた結果ではありません。恐怖が、分析の顔をしているだけです。

この見分けがつくかどうか。ここに思考法の本を読む意味があります。


シリーズ「資産形成の持久力」全14回

2026年8月12日から11月11日まで、毎週水曜に公開していきます。

読み終えた回から、順にリンクを追加していきます。

第1部|習慣をつくる(第1回〜第3回)

  • 第1回(8/12) やり抜く力 GRIT/アンジェラ・ダックワース
  • 第2回(8/19) 複利で伸びる1つの習慣/ジェームズ・クリアー
  • 第3回(8/26) 小さな習慣/スティーヴン・ガイズ

第2部|絞り込む・考え直す(第4回〜第6回)

  • 第4回(9/2) エッセンシャル思考/グレッグ・マキューン
  • 第5回(9/9) THINK AGAIN/アダム・グラント
  • 第6回(9/16) 投資家が「お金」よりも大切にしていること/藤野英人

第3部|考えを形にする(第7回〜第9回)

  • 第7回(9/23) イシューからはじめよ/安宅和人
  • 第8回(9/30) アウトプット大全/樺沢紫苑
  • 第9回(10/7) 1%の努力/ひろゆき

第4部|生き方と資産形成をつなぐ(第10回〜第14回)

  • 第10回(10/14) 投資家が「お金」よりも大切にしている習慣/藤野英人
  • 第11回(10/21) 1日1万円の稼ぎ方
  • 第12回(10/28) ライフシフト/リンダ・グラットン
  • 第13回(11/4) となりの億万長者(深掘り版)/T・J・スタンリー他
  • 第14回(11/11) 行動経済学が最強の学問である/相良奈美香

遠回りに見えて、実は近道

正直に言えば、これらの本を読んでも、NISAの制度は分かりません。

ファンドの選び方も、出口戦略も書いてありません。

その意味では、遠回りです。

それでも私がこの14冊を選んだのは、資産形成でつまずく場所が、たいてい知識の外側にあると知っているからです。

投資は、20年30年と続く長い道のりです。

走り方を学ぶより先に、走り続けられる身体をつくる。そういう時期があってもいいと思っています。

50代からでも、遅くはありません。

むしろ、残りの時間を意識できる今だからこそ、腰を据えて土台をつくる意味があると考えています。

毎週水曜、お付き合いいただければ嬉しいです。


👉 これまでの投資・経済の書評はこちら:50代リアルマネー トップページ

👉 運営者の日々の習慣について:自己紹介

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