50代になると、足すことばかり考えてしまいます。
もっと増やしたほうがいいのか。まだ働き続けるべきか。資格も取ったほうがいいか。
この本は、逆のことを言います。
降りたほうがいいことのほうが、ずっと多い。
この本を一言でいうと
降りることは、逃げではない。自分で選び直すことだ、という本です。
この記事では、それを50代の資産形成に当てはめます。
何を足すかではなく、何から降りるか。そう考えると、見える景色が変わります。
著者の清水克彦氏は、政治・教育ジャーナリスト。
放送局の報道デスクを経て、現在は執筆と講演を中心に活動しています。
本書は「競争社会」「お金やモノへの執着」「常識的な生き方」
「いい人」「無駄な人づき合い」の5つから降りる構成です。
▼本はこちら
心に残ったポイント3つ
① 競争から降りる
本書が最初に挙げるのが、会社の中の競争です。
昇進や評価に縛られず、自分の価値観で働く。そのほうが、結局は長く走れるという話です。
金融機関に30年勤務してきましたが、組織の中の競争に、終わりはありませんでした。
ひとつ上がれば、次の比較対象が現れる。その繰り返しです。
そして同じことが、資産形成でも起きています。
SNSを開けば、誰かの利回りや資産額が流れてきます。
比べはじめると、自分で決めたはずの計画が揺れる。
競争から降りるとは、人と比べるのをやめること。
そして、自分にとっての必要額を、自分で決めてしまうことだと思います。
👉 後半戦は、別のルールで戦う:人生後半の戦略書
② 執着から降りる
お金やモノ、肩書きへの執着を手放すと、人生の選択肢が広がると著者は言います。
資産形成に当てはめると、増やすこと自体が目的になっていないかという問いになります。
何のために増やすのかを決めていないと、いくら貯まっても足りません。
目標額に届いた瞬間に、次の目標額が立つからです。
私自身、ここは正直に言って、まだ途中です。
ただ、100歳までの資金繰り表を作ってから、少しずつ変わってきました。
使う先が決まると、増やす量も決まる。
増やすことと使うことは、対立しないのだと思います。
👉 お金は増やせても、時間だけは増やせない:DIE WITH ZERO
③「いい人」から降りる
周囲に合わせすぎて、自分を見失っていないか。
本書のこの問いかけが、いちばん刺さりました。
そしてこれは、お金の話でもあります。
つきあいで出ていく支出。断れなかった頼まれごと。
勧められて、その場で断りきれなかったもの。
50代の資産が大きく動くのは、運用の失敗より、断れなかったときではないでしょうか。
断ることは、性格ではなく技術だと思っています。
その場で返事をしない。一晩おく。決める日を自分で決めておく。
「いい人」をやめるというより、全部に応えるのをやめるという感覚に近いかもしれません。
👉 より少なく、しかしより良く:エッセンシャル思考
📚 この本を読んでみたい方はこちら
この本を読んで得られる変化
- 人と比べて運用するのを、やめられる
- 自分にとっての必要額を、自分で決められるようになる
- 増やすことが目的になっていたと、気づける
- 断ることが、お金を守る技術だと分かる
- 辞めるか残るかの二択から離れて、考えられる
こんな人におすすめ
- 50代で、このまま定年まで働くのか迷っている会社員
- SNSで他人の資産額を見て、落ち着かなくなる人
- 貯めてはいるが、何のためか言葉にできていない人
- つきあいの支出を、断れずにいる人
- 役職定年や出向が、視野に入ってきた人
まとめ|降りるのは、引き算ではない
降りると聞くと、引き算のように感じます。
けれど本書を読み終えて残ったのは、選び直しだったという感覚のほうでした。
正直に書いておくと、私はまだ会社員です。
辞めると決めたわけでも、答えが出たわけでもありません。
ただ、いつでも選べる状態にはしておきたいと思っています。
そのために、競争から、執着から、断れなさから、少しずつ降りているところです。
50代は、足すことばかり考えてしまう年代です。
資格、副業、投資、人脈。どれも悪くはありませんが、全部は持てません。
何を降りるかを決めると、残ったものが見えてきます。
軽くなった分だけ、遠くまで歩けるのだと思います。
👉 相場を読む力より、続ける力:シリーズ「資産形成の持久力」全14回
🔗 詳細はこちら


コメント